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一瞬

たぶん、あの時に本当なら、全てが始まって、終わっていたんだと思う。君の瞳の黒い部分が、世界の全てになって。鼓動が世界に広がって。たぶん一瞬だった。目が合った一瞬。そこだけが世界の全てになって、音がしたように一つになった。微かに君の目が微笑んだ。その奥に世界の全てがあって、僕と君は世界の全てになった。それはほんの一瞬の事。僕が目をそらすまでの。脈打つような僕の鼓動だけがこの部屋に残った。