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3776Extented 即興曲集第一集 レビュー

3776の拡張ユニット「Minanaro Extendet」が3/29に発表したアルバムは、全曲がライブ会場での即興曲という異形の作品である。

アイドルが即興曲のアルバムを発表するということは、これまでなかったと思う。

なぜになかったのであろうか。

アイドルがライブにおいて即興曲に挑む、という事態で明らかになるのは、そのアイドル固有のアーチスト性、実力のほど、である。即興曲により、楽曲の魅力だけで売れていたアイドルかどうか、見た目だけで売れていたアイドルかどうか、が明らかになる。

これはある意味、非常に残酷なことである。残酷ゆえに、ほとんどのアイドル・プロデューサーは即興というアプローチを採らない。ていうか、即興をさせようというところまで考えられないであろうし、アイドル自身にしても思いもよらないことであろう。

3776は地元富士宮「元気広場」での活動のほか、3776extended名義でのライブでの演奏も数多い。

サウンドを手掛ける石田彰氏が奏でるガイドに乗って、繰り広げられるちよのちゃんのパフォーマンスについては、YOUTUBEに上がっている「水曜元気広場」を参照願いたい。今回のアルバムにもそのダイジェストが収められている。

3776の楽曲のセンスは、私にとってはここ数年の中ではぴか一のものだが、3776の魅力は、ちよのちゃんのパフォーマンスによってこそ、プロデューサーの想像をも超えて表現されているということが、脱構築的に理解できる、とてもユニークなアルバム、それが『即興曲集第一集』である。

富士宮へのこだわり、アドリブへのこだわり、現在性(フレッシュネス)へのこだわり、等が感じられると同時に、せこい完成度やかわいらしさのみ追い求めているかのような邦楽アイドル(音楽)シーンへのアンチテーゼとしても、このアルバムは存在を主張する。その音楽の本質はまぎれもなくROCKであると私は思う。

(実際のちよのちゃんも、ヘタに手を出すと「パチーン」と弾かれる、切れ味の鋭い子です)